2014衆院選:公明党の公約 要旨

毎日新聞 2014年11月28日

 ◆景気回復の実感を家計へ

 ◇重点政策

 ◇地方創生で、力強く伸びる日本経済へ

 1 軽減税率の導入 消費税率10%への引き上げ(2017年4月)と同時に、食料品などへの「軽減税率」の導入をめざす。課税の公平性を維持し、増税による“痛税感”を和らげる。17年度からの導入に向け、対象品目、区分経理、安定財源等について、早急に具体的な検討を進める

 2 家計支援-賃金上昇と消費拡大の好循環 (1)中低所得世帯等への家計支援 簡素な給付措置の対象拡大、住宅ローン金利引き下げなど(2)賃金上昇と若者の正規雇用拡大に向けた取り組み強化

 3 エネルギー等価格高騰対策 (1)寒冷地・過疎地や社会福祉施設等のエネルギーコスト負担軽減 灯油・ガソリン等購入補助、地方自治体の自主的な取り組みに対する支援を実施(2)農林水産業・運送業等燃料依存度の高い分野への支援(3)省エネ、再生可能エネルギー拡大に向けた対策強化

 4 中小企業支援 (1)環境・エネルギー、健康・医療・介護の担い手としての中小企業支援(2)資金繰り支援強化(3)販路開拓・人材確保支援(4)中小・小規模事業者の海外展開支援

 5 女性、若者の活躍支援 (1)女性の活躍支援(2)若者の活躍支援 「若者の雇用の促進に関する法律(仮称)」を制定し、新卒者等の就職支援やフリーター・ニート支援の強化を推進

 6 持続的経済成長のための成長戦略 (1)エネルギー・環境分野の育成(2)健康・医療・介護分野の育成(3)「攻め」の農林水産業に挑戦(4)文化・芸術、スポーツ、観光の振興(5)ロボット産業の振興

 7 魅力ある地域づくり (1)「長期ビジョン」と「総合戦略」の策定と着実な実施(2)地域雇用の確保(3)都市から地方への移住促進(4)国の行政機能や企業の本社機能の移転促進 人口および行政、経済機能の過度な集中を是正するため、国の行政機関の機能移転(5)「コンパクト+ネットワーク」の推進等(6)空き家対策の着実な推進(7)NPO等非営利法人などへの支援

 ◇一人を大切にする社会へ、社会保障と教育の充実を

 1 子育て支援の充実 (1)待機児童の解消 「子ども・子育て支援新制度」を確実に実施。約40万人分の保育の受け皿を確保する(2)幼児教育の無償化を推進 就学前3年間の幼稚園、保育園、認定こども園の幼児教育の無償化を着実に推進する

 2 充実の医療・介護体制の確立 (1)地域包括ケアシステムの構築(2)がん対策の強化 がん検診受診率50%以上の達成をめざす(3)難病対策の推進(4)再生医療の安全性確保と推進(5)感染症対策の推進(6)危険ドラッグ対策の強化

 3 年金制度の機能強化 (1)低所得者への加算(2)被用者年金の適用拡大

 4 障がい者福祉の拡充とセーフティーネット機能の強化 (1)障がい者福祉の拡充(2)生活困窮者など支援が必要な方への取り組み

 5 安心で質の高い教育へ (1)新しい教育の推進 双方向型・課題解決型授業の導入や、チーム学校やコミュニティースクール等の導入を積極的に進める(2)いじめ・不登校対策(3)奨学金制度等の拡充(4)障がいのある子どもへの支援(5)多様な教育機会の充実 公立夜間中学校を全都道府県に1校以上設置(6)学校施設の耐震化と長寿命化対策

 ◇東日本大震災からの復興と防災・減災対策

 1 東日本大震災からの復興加速、福島再生 (1)東日本大震災からの復興加速化 15年度までの「集中復興期間」以降も必要な財源確保に努める(2)福島の再生と「イノベーション・コースト構想」の推進(3)原発事故からの収束-除染、廃炉・汚染水対策(4)心のケア、リスクコミュニケーションの充実等(5)農林水産業をはじめとする産業の振興

 2 大規模災害等に備えた防災・減災対策の推進 (1)首都直下、南海トラフなど巨大地震対策(2)老朽化インフラの改修等事前防災対策(3)ゲリラ豪雨等地域災害への対策(4)地区防災計画の着実な実施と防災教育の推進等

 ◇政治改革・行財政改革の断行

 1 18歳選挙権の導入-16年参院選から実施

 2 政治資金規正法の監督責任の強化 政治資金規正法を改正し、会計責任者が政治資金収支報告書の虚偽記載などの違法行為を行い、議員が相当の注意を怠った場合、公民権を停止し失職させることができるようにする

 3 公会計改革と財政の見える化 (1)公会計改革(2)独立行政法人改革

 4 行政サービスの向上と効率化 マイナンバー制度の円滑な導入を推進。個人情報保護法制の見直しなど、必要な法整備を進める ◇安定した平和と繁栄の対外関係

 1 日中、日韓の関係改善 (1)日中関係の再構築へ、戦略的互恵関係をさらに発展 14年11月10日に開催された日中首脳会談を踏まえ、継続的な首脳会談や政府実務者協議を活発化。人的交流を促進させ、日中関係の再構築に向け、戦略的互恵関係の発展に取り組む(2)未来志向の日韓関係を構築

 2 経済連携、資源外交の推進 (1)経済連携協定を推進 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉ではわが国農業の多面的機能や食料自給率の向上など国民生活への影響に配慮しつつ、国益の最大化に努める。日中韓の自由貿易協定(FTA)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)などに主導的に取り組む(2)資源確保のための外交を推進

 3 「核軍縮」や「人間の安全保障」で世界の平和に貢献 (1)核ゼロの世界へ核軍縮を推進 「核兵器禁止条約」を提案(2)「人間の安全保障」等を推進 「人間の安全保障」分野に政府開発援助(ODA)の20%以上を優先配分

 ◇当面する重要政治課題

1 当面の経済財政 運営と財政健全化

 17年4月の消費税率10%への引き上げを確実に実施。国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)について、20年度に黒字化するという健全化目標の確実な達成をめざす

2 原発に依存しない社会・原発ゼロへ

 原発の新設を認めず、原発の40年運転制限制を厳格に適用。“原発に依存しない社会・原発ゼロ”をめざす。再稼働については原子力規制委員会が策定した厳格な規制基準を満たすことを大前提に、国民、住民の理解を得て判断する

3 選挙制度改革の実現

 衆議院選挙制度に関する調査会の答申を尊重し、選挙制度改革と定数削減を実現する

4 「加憲」で憲法の発展を

 基本的人権の尊重、国民主権、恒久平和主義の3原則を堅持し、新たに必要とされる理念・条文を現行憲法に加える「加憲」が現実的で妥当。憲法9条については、戦争の放棄を定めた1項、戦力の不保持等を定めた2項を堅持した上で、自衛のための必要最小限度の実力組織としての自衛隊の存在の明記や、「平和主義の理念」を体現した国際貢献の在り方について、「加憲」の論議の対象として慎重に検討していく

5 安保法制と日米ガイドライン

 安全保障法制整備は14年7月1日の閣議決定を的確に反映した内容となるよう検討。国民の理解が得られるよう丁寧に取り組む。ガイドライン改定は、安保法制との整合性を政府に求める

6 拉致問題等北朝鮮への対応

 改正拉致被害者等支援法に加え、必要な支援策を講じる。核実験やミサイル発射問題は北朝鮮に自制を促す

7 農協・農業委員会等の改革

8 領土をめぐる問題と平和的な解決

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