- ポスト
- みんなのポストを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
政治改革の嵐が吹き荒れたのは、今からおよそ四半世紀前のことだった。自民党長期政権は高度成長を実現し、日本を世界第2位の経済大国に押し上げることに成功した。だが、「権力は必ず腐敗する」の鉄則に違わず、政治家による金銭的な不祥事が続出した。是正を求める国民は「政治改革」を熱望した。金権政治と批判された田中角栄派の流れをくむ一派が、自民党を離党して新党ブームが起こり、政治も動いた。そこで出された結論は、緊張感ある政治状況を作り出すには、政権交代可能な2大政党制を出現させること、だった。英国を手本に小選挙区制が導入された。
小選挙区制は(1)死票が多い。仮に投票数の49%を獲得しても相手方が51%を獲得すれば落選してしまう(2)定数1だけに補欠選挙が多い(3)有権者減に伴う定数是正は区割りを変更せざるを得ず、公正を確保する方法が難しい(4)無風区が増えやすい−−などのマイナス面が指摘されていた。それでも、政権交代を加速させるプラス面が言われた。新選挙制度の下、2009年の民主党・鳩山由紀夫政権、12年の安倍晋三政権…
この記事は有料記事です。
残り2130文字(全文2591文字)